Web版(ハ行)

通し番号 用語 読み 英語 説明文
762 ハーフトーンスケール はーふとーんすけーる halftone scale (参照: 網点階調再現)
763 パーマネントヘッド ぱーまねんとへっど permanent head プリンタ本体の寿命まで交換されることのないように設計されたヘッド.通常プリンタの一部として組み込まれて出荷され,ユーザーはプリンタから取り外せない.
764 バイアスローラ転写 ばいあすろーらてんしゃ bias roller transfer 電圧を印加したローラを用いて感光体上の像を用紙に転写すること.通常導電性ゴムローラが用いられ,表面を高抵抗にしたり,絶縁層を設ける場合がある.(参照:ローラ転写)
765 ハイドロトロピー剤 はいどろとろぴーざい hydrotoropic agent 水素結合液体の水素結合を切る物質.代表的には尿素.少量(1%以下)の添加で共存する染料の溶解度をあげる事が知られている.
766 背面露光電子写真記録 はいめんろこうでんししゃしんきろく photo-image back irradiation electrophotography 透明基板,透明電極上に形成した感光層に基板側から光像を照射して記録する記録方式.導電性トナーを用いる方法,帯電電極を設けて絶縁性トナーを可能とした方法などがある.感光体の帯電プロセスが不要,光像照射ユニットを感光ドラム内部に配置による小型化などの特徴がある.
767 ハイライトポイント はいらいとぽいんと,?さいげん highlight point 原稿において階調を必要とする最も明るい部分のこと.これより明るい部分として光が強く当たって光っているキャッチライトの部分があるので,印刷では,ハイライトの部分が5%程度の網となる様に設定して再現を行っている.
768 バインダー ばいんだー binder (参照: 結着剤)
769 パウダークラウド現像 ぱうだーくらうどげんぞう(ほう) powder cloud development 静電潜像が形成された電子写真感光体とそれに近接した現像電極間に直径の小さい金属ノズルから霧状(クラウド)に吹き出したトナーを導入して静電潜像を可視化する.連続階調の再現性に優れている.
770 掃き目 はきめ brush mark ベタ画像内におけるブラシでこすったような抜けをいう.磁気ブラシ現像においてはスキャベンジングや導電性磁気ブラシによる静電潜像への電荷注入によって発生するといわれている.(参照:スキャベンジング効果)
771 白濁化温度 はくだくかおんど temperature for opacity 熱による相分離又は相変化に伴う光散乱性変化等を利用した透明/白濁変化型のサーマルリライタブルマーキングにおいて,透明状態から白濁化する温度をいう.
772 白濁濃度 はくだくのうど opaque optical density 透明/白濁変化型のリライタブルマーキングにおける白濁部分の光学反射濃度.
773 薄膜型センサ はくまくがたせんさ thin film image sensor 密着型イメージセンサの一種.画素状に分割された電極と,一括形成される感光性薄膜とからなる.主としてアモルファスシリコンを感光素材として利用してサンドイッチ型,あるいはプレイナ型でフォトダイオード構造,MIS構造などを形成して光電変換を行う.
774 薄膜ヘッド はくまくへっど thin film thermal head 薄膜プロセスにより形成されたサーマルヘッド.薄膜プロセスとしては蒸着,スパッタリング等がある.対する用語は厚膜ヘッド.
775 剥離距離 はくりきょり peeling distance 熱転写記録で,サーマールヘッドの発熱体等の記録用熱源と,熱を加えた後,被記録媒体からインクリボンを剥離する位置までの距離.
776 剥離時間 はくりじかん peeling time 熱転写記録で,インクリボンに熱を加えてから被記録媒体からインクリボンを剥離するまでの時間.
777 剥離層 はくりそう release layer 熱転写インクリボンの支持体と熱溶融性インク層の間に形成されたインク層の剥離を助ける層.
778 バックアップユニット ばっくあっぷゆにっと backup unit (参照: 回復系)
779 バックライトフィルム ばっくらいとふぃるむ backlight film 基材面側から光を照射し,画像を観察する記録媒体.フィルム基材上に半透明なインク受容層を設けた記録媒体に,鏡像画像を印字.印字部側に光源を置いて,通常とは逆に,機材側から画像を鑑賞するタイプの記録媒体.非印字部は白色または背景色なので印字部とのコントラストが強くなり,屋外の広告用媒体,屋内のデコレーションに用いられる.
780 発消色現象 はっしょうしょくげんしょう color developing and reducing phenomena 発色型リライタブルマーキングにおける,発色と消色の現象.
781 発色温度 はっしょくおんど color developing temperature 発色型サーマルリライタブルマーキングにおいて発色する温度.ロイコ染料型サーマルリライタブルマーキングにおいては染料と可逆顕色剤とが反応して発色する温度.
782 発色型可逆感熱記録 はっしょくがたかぎゃくかんねつきろく color developing type reversible thermal printing (参照:発色型サーマルリライタブルマーキング)
783 発色型サーマルリライタブルマーキング はっしょくがたさーまるりらいたぶるまーきんぐ color developing type thermal rewritable marking 熱により発色と消色を繰り返すことが出来るサーマルリライタブルマーキングで,発色型可逆感熱記録ともいう.具体例としては,ロイコ染料と可逆顕色剤の化学反応を利用したロイコ染料型リライタブルマーキングがある.
784 発色現像 はっしょくげんしょう chromogenic development 露光した銀塩カラー感光材料を現像して色画像を形成する工程.発色現像主薬(p-フェニレンジアミン系化合物)により,露光されたハロゲン化銀が現像銀に還元され,酸化された現像主薬が,色素プレカーサであるカプラーと反応して色素画像を作る.
785 発色濃度 はっしょくのうど color optical density 発色型サーマルリライタブルマーキングにおいて発色した部分の光学反射濃度
786 パッシェン則 ぱっしょんそく Paschen's law 気圧pと空隙dの関数で表わされた空隙破壊電圧をいう.通常は大気中で考えることから空隙dのみの関数として空隙破壊電圧VbはVb=312+6.2d で近似される(但し8μm<d<100μm).
787 発熱抵抗体 はつねつていこうたい heat element サーマルヘッドにおいて選択的に通電して発熱する抵抗体で発熱体ともいう.一般的には矩形形状であるが発熱温度分布を均一にする目的で屈曲発熱体あるいはスリット型発熱体等がある.
788 ハフマン符号化 はふまんふごうか Huffman coding ハフマンが考案した手法により構成されたエントロピ符号を用いる符号化方法.符号を割り当てるデータパターンの出現頻度分布を元に,符号を構成する手法で,平均符号長が最小となる.特に符号化するデータに適応させた場合をカスタムハフマン,1種類の符号の場合を固定ハフマンと呼んで区別する.(参照 MH)。
789 バブルジェット ばぶるじぇっとしき bubble jet ノズル内に設けた発熱ヒータにより,ヒータ表面のインクが膜沸騰をおこし,気泡(バブル)を発生,排斥されたインク相当分がインク滴として記録に用いられるシステム.ノズルの高密度化が可能で高速印字が可能.サーマルジェット方式と同一原理.
790 波面 はめん wavefront 進行波においてある時刻に同じ状態にある点をむすぶ面.同一位相にある面.
791 針電極デバイス はりでんきょくでばいす multi-stylus electrode (参照:多針電極)
792 パルス数制御方式 ぱるすすうせいぎょほうしき multipulse driving method 消去バーやサーマルヘッドに加えるエネルギーの印加を複数のパルス列で構成する方式.(参照:マルチパルス駆動方式)
793 パルス数変調 ぱるすすうへんちょう pulse number modulation プリンターやデジタル複写機などで階調性を有する画像を表現する方法.階調に応じて1ドットの光源の発光時間を変化させる方式で,面積階調に相当する.
794 パルス幅変調 ぱるすはばへんちょう pulse width modulation LBPやデジタル複写機などの階調性を有する画像を表現するために,階調に応じて1ドットの光源の発光時間を変化させる変調方式をいう.面積階調に相当する.
795 ハレーション防止層 はれーしょんぼうしそう antihalation coating 写真乳剤層で吸収されなかった光が,乳剤層と支持体,支持体と空気或いは圧板との間で反射して,周辺のハロゲン化銀を感光させる現象をハレーシヨンという.ハレーション防止層を支持体内,支持体と感光層の間又は裏面に設けて反射光を吸収し,画質低下を防ぐ.
796 ハロー効果 はろーこうか halo effect 同一感光体面上に形成された異極性の静電潜像を,帯電極性の異る2種類のトナーで順次現像する際,一方の潜像周辺に発生する逆電界に他のトナーが付着する現象.誘導現像で画像周囲の非画像部にエッジ効果によって誘導されたトナーが現像される現象もハローといわれる.
797 ハロゲンランプ照明 はろげんらんぷしょうめい tungsten halogen lamp illumination ハロゲンガスを封入したタングステンフィラメントの白熱電球.高輝度で長寿命,発光波長域が広いのが特徴である.カラー複写機やアナログ複写機などのスリット露光用には長尺のハロゲンランプを用いた照明系が多く,OHPなどレンズの瞳照明用には豆球型のハロゲンランプを用いた照明系が多い.
798 半減露光量 はんげんろこうりょう half decay exposure 帯電した光導電層の表面電位を半減させるのに必要な露光量.
799 版下 はんした artwork 製版用に使用する原稿のこと.写真原稿(網点画像),文字原稿,イラストなどを台紙に貼り込んでレイアウトとしたものを完全版下と呼ぶ.最近では,電算写植・電子組版・DTPなどのシステムでレイアウトしてプリンタで出力したものを版下ともいう.
800 反射濃度 はんしゃのうど reflection density 印画紙や,紙上の記録画像を対象とした光学濃度で,入射光に対する反射光の比率として計測される.ISO-5シリーズ等で規格化されている.(参照 光学濃度)
801 バンディング ばんでぃんぐ banding 画像のハーフトーン部に出現する帯状の濃度ムラをいう.ハーフトーンドットの間隔が機械系の速度変動により変わる場合等に発生し,スポット露光走査方式の場合に発生することが多い.
802 反転現像 [電子写真] はんてんげんぞう reversal development, discharged area development 光照射で表面電位が低下した部分にトナーを付着,現像する方法.現像電極に表面電位とほゞ同じ電位を印加して暗部と明部の電位差を逆転させ,かつ形成した表面電位の極性と同じ極性に帯電させたトナーを用いる.ネガーポジ型の現像法.
803 反転現像 [写真] はんてんげんぞう reversal development 露光した感光材料をポジ画像に反転させる現像法.一般には最初の現像によってできたネガ画像銀を漂白液で除去し,感光材料に残っている未感光のハロゲン化銀を光又は化学的に感光させ,再び現像をすることによつてポジ画像を得る処理方法.
804 半導体レーザ はんどうたいれーざ semi conductor laser レーザ作動に必要な反転分布を起こすためpn接合に順方向電流を流し,少数キャリア注入により励起させる半導体光源デバイス.
805 PAPE ぴーえいぴーいー photo‐active particle electrophotography (PAPE) 光により電気的に活性化される粒子を利用する写真法の総稱.別項のPEPはその代表的なものだが,この外に,熱又は溶剤で可塑化する樹脂層中を帯電露光された光導電性粒子が移動し光学コントラストを生ずる方法もある.
806 PLZTシャッタアレイ ぴーえるぜっとてぃーしゃったあれい PLZT shutter array 複数個のPLZTアレイを一次元配列した長尺の高速シャッターデバイス.記録媒体に合わせた光源と光量を自由に選択できる特徴がある.シャッタとしての動作原理は,カー効果を利用するものである.PLZTは,ジルコンチタン酸鉛にストロンチウムをド?プした透明なセラミック.
807 ビーディング びーでぃんぐ beading 記録紙上で隣接ドットがつながるために不規則な隙間,濃度の増大等が発生し,画質を損なう現象.インク物性と受容層とのミスマッチングが原因で,インク吸収遅れで発生する.
808 ヒートモード記録 ひーともーどきろく heat mode recording 半導体レーザやNd:YAGレーザ等の高エネルギー密度のレーザビームの照射により記録材料の微小部分の温度が瞬間的に上昇して非可逆変化が生じる現象を利用した記録.原理的にはサーマルヘッドで記録可能な材料が使用できる.用途ではデジタルカラープルーフへの応用が代表的.
809 PPC複写機 ぴーぴーしーふくしゃき plane paper copying machine(PPC) 普通紙へ画像形成を可能とする複写機を指すが,狭義には転写(間接)型電子写真法を採用した複写機を意味する.
810 ビームウエスト びーむうえすと beam waist 基本モ?ドのガウスビ?ムでスポットの大きさが最小になる位置.
811 ビームエクスパンダー びーむえくすぱんだー beam expander ?ザ光などを細いビ?ムから太いビ?ムに変換するように構成された2組の焦点位置を合致させたレンズ系.
812 ピエゾインクジェット ぴえぞしき piezo ink jet system 電歪効果を利用しインクを飛翔させるインクジェット方式.印加電圧によって吐出量を変化させる事が出来るため,ドット径変調による階調表現が可能.
813 光エレクトレット ひかりえれくとりっく photoelectret 光と電場を利用して絶縁性光導電体内に持続性内部分極 (persistent internal polarization:PIP)を形成した状態.PIPは,光生成キャリアが,電場で分離されてトラップされ,有限の時間,凍結される結果生じる.
814 光感度 ひかりかんど photosensitivity (参照: 感度)
815 光起電力効果 ひかりきでんりょくこうか photovoltaic effect 光の照射により起電力が発生する現象. p-n 接合部,あるいはショットキー接合部に励起光を照射すると発生した電子と正孔が界面の電場により引き分けられ電位差が生ずる.
816 光キャリア生成 ひかりきゃりあせいせい photo carrier generation 光による電子や正孔(キャリア)の生成.物質の吸収する光のエネルギーにより,電子?正孔対が生成し,自由キャリアとなり光電現象に寄与する.
817 光強度 ひかりきょうど light intensity 感光面に入射する光の照度すなわち単位面積当たりの入射光束で表わされる.しかし,分光感度が視感度と著しく異なる場合はこの方法は不都合なこともあるので,単位面積当たりの放射束または分光放射束を用いることもある.
818 光減衰 ひかりげんすい photo-induced discharge 帯電された感光体において,光照射により発生したキャリアの移動により表面電荷が消失し,表面電位が減衰する現象.light decay , light discharge ともいう.光を照射しない場合は暗減衰と呼ばれる.
819 光サーモプラスチック記録 ひかりさーもぷらすちっくきろく thermoplastic recording 有機系の光導電体層に熱可塑性の樹脂層を重ねた感光体を帯電・露光した後加熱して樹脂を軟化させ,露光部を挟んで存在する静電荷のクーロン力でしわを作る.樹脂層は加熱により平滑化することで,再使用が可能となる.
820 光散乱性変化 ひかりさんらんへんか light scattering change 透明/白濁変化型のリライタブルマーキングにおいて,相分離や相変化などによって光の散乱性が変化すること.
821 光定着型感熱紙 ひかりていちゃくがたかんねつし UV-fixable thermal recording paper ジアゾニウム塩,カプラー,必要に応じて塩基性化合物を結着剤とともに支持体上に設けた構成の発色型の記録用紙.加熱によりアゾ染料像が形成され,次いで紫外光露光により未反応のジアゾニウム塩を不活性化して再発色を防止する.
822 光電気泳動法 ひかりでんきえいどうほう photoelectrophoretic imaging ( PEP ) 液中に懸濁し,帯電した光導電性粒子を電極間に置き,電場をかけることにより粒子は逆極性電極上に付着する.これを光像を投影すると粒子は導電化して電荷が逆転,対極に泳動して対極上の画像支持体に付着し,画像を形成する.
823 光導電性 ひかりどうでんせい photoconductivity 絶縁物や半導体に光を照射したとき導電率が増加する性質で内部光電効果とも呼ばれる.光吸収によって電子が励起され,自由電子あるいは正孔などのキャリアが発生するために起る現象.
824 光導電性粒子 ひかりどうでんせいりゅうし photoconductive particle 光導電性を有する粒子.光により生成したキャリアにより,粒子の帯電が変化することを利用して画像形成のトナーの役目をさせる.
825 光背面記録法 ひかりはいめんきろくほう back-exposure type electrophotography (参照:背面露光電子写真記録)
826 光反射層 ひかりはんしゃそう light reflection layer 光を反射させる層.光散乱性が変化するリライタブルマーキングでは,記録層の背面に光を正反射する層を形成し,光散乱状態を増幅させて画像コントラストを向上させる.通常,アルミニウムなどの金属を蒸着し設けられる.
827 光疲労 ひかりひろう light‐induced fatigue 感光体に一定光量以上の光を暴露すると,その影響で帯電電位の低下や暗減衰の増加等が発生することがあり光疲労と呼ばれている.帯電と露光を繰り返す実使用時の感光体の電位安定性を劣化させる要因の一つである.
828 光分極 ひかりぶんきょく photopolarization 光導電性絶縁体材料に光照射と同時に電場を作用させることによって,材料中に形成する電荷の分極状態.
829 光偏向器 ひかりへんこうき light deflector 光ビ?ムを一定の順序で走査させたり,任意の位置にランダムアクセス偏向させる装置.回転多面(ポリゴン)鏡によるもの,ガルバノメ?タなどで駆動する機械的な偏向器や音響光学偏向器や電気光学偏向器など非機械的なものとある.
830 光放電曲線 ひかりほうでんきょくせん photo-induced discharge curve(PIDC) 帯電された感光体において,光照射により発生したキャリアの移動により表面電荷が消失し,表面電位が減少する様子をあらわす曲線.light decay , light discharge ともいう.曲線から半減露光量を求め,感光体の感度を測定することが出来る.
831 引き裂き特性 ひきさきとくせい tearing properties 溶融熱転写記録のインクが引きちぎられるときの性質.JIS K7128のトラウザー引裂法によれば切れ目を入れた試験片の切れ目を挟んだ両側を持ち試験片を引き裂くときの荷重を測定する.
832 非球面ガラスモールドレンズ ひきゅうめんがらすもーるどれんず aspherical glass mold lens ガラス成形で製造した非球面レンズ.単体レンズで高性能が得られる.ガラスはプラスチックと比較して屈折率や分散の選択の幅が広く,温湿度の影響を受けにくい利点がある.
833 非晶質シリコン ひしょうしつしりこん amorphous silicon a-Si:H.SiH4(シラン)ガスのグロー放電により作製する.多量のHを含み局在準位密度が10^17cm3以下に減少し,BやO添加によるPN制御が可能である.感光体用には高抵抗化のため微量の酸素,炭素等を添加することもある.
834 非晶質セレン ひしょうしつせれん amorphous selenium a-Se.基板温度 50?60℃程度で真空蒸着して製造する.P型半導体.ガラス転移点( 45℃ )以上で六方晶形に結晶化する.As,Teとの合金化により分光感度を調整して用いることが多い.
835 非晶質光導電体 ひしょうしつひかりどうでんたい amorphous photoconductor 無機非晶質の光導電体の総称.非晶質シリコンのような正四面体構造を有するテトラヘドラル系と6族元素である Se,Teを主成分とするカルコゲナイド系に分類される.
836 微小濃度計 びしょうのうどけい micro densitometer 微少面積の光学濃度を計測する装置で,通常10?100μmの開口部を通して濃度を検出する.画像の1次元濃度分布を計測するのに用いる.マイクロデンシトメータともいう.
837 ヒストグラムイコライゼーション ひすとぐらむいこらいぜーしょん histgram equalization 画像の濃淡のヒストグラムをとり,頻度の高い濃淡領域は拡大し,頻度の低い濃淡領域は縮小する様な階調変換を行って,変換後のヒストグラムが一様になるようにする画像処理.微妙な濃淡が広い領域にあるような画像は,その部分のコントラストが高くなる反面,頻度の低い濃淡の領域のコントラストが低下するという特徴を持つ.
838 非接触現像 ひせっしょくげんぞう non-contact development トナー層を保持する現像ローラと感光体を非接触に保ち現像する方式.交流バイアス電圧を印加する方式が一般的だが,階調再現を面積階調で行い感光体上で色重ね現像を行うディジタル方式では直流バイアスを印加する方式も用いられる.
839 非接触熱定着 ひせっしょくねつていちゃく non contact fusing 熱源をトナーに直接接触させずに加熱する定着方式.熱エネルギーは輻射または対流により伝達される.赤外線ランプ,キセノンフラッシュおよび面状ヒータ方式などがこれにあたる.
840 ビットマップ びっとまっぷ bitmap 文字や画像をビット(点)の集まりで表すこと,または表したもの.デジタルシステムでは文字・線画は符号やベクトルで扱われる事が多くこれを画像表示装置(CRTなど)で表示したり出力装置で出力するには画像信号の位置をビットの座標で表現する必要があるため,RIPを使って画像信号をビットマップに展開する.
841 引張強さ ひっぱりつよさ tensile strength 一様断面の真直棒に引張荷重を加えて破断させたとき,破断に至るまでに到達した公称応力の最大値,すなわち最大荷重を負荷前の断面積で除した値をいう.抗張力あるいは引っ張り破壊強さともいう.
842 引張伸び ひっぱりのび tensile elongation 引張試験において材料の延性を示すもので,引張試験後の破断した試験片の永久伸びを元の長さで除した値を百分率で示す.引っ張り破壊伸びともいう.
843 比電荷 ひでんか toner charge‐to‐mass ratio トナーの単位質量あたりの帯電量,一般にトナーの粒度が小さいほどこの値は大きくなる.トナーの比電荷は現像効果に大きな影響がある.
844 漂白 ひょうはく bleaching 脱銀や再現像のために,画像銀などの銀をハロゲン化銀などの銀塩に変えること.主に赤血塩や鉄キレート塩などの化合物の酸化作用により銀を漂白(酸化)する.漂白剤は,またチオ硫酸塩などの銀溶解剤と組み合わせ使用され,写真減力液や漂白定着液を作る.
845 表面張力 ひょうめんちょうりょく surface tension (energy) インクを吐出し,液滴を形成する上で重要なインクパラメーターの一つ.記録紙上での毛細管現象によるインク吸収のメカニズムを支配する物性値.
846 表面電位 ひょうめんでんい surface potential 帯電された感光体表面の電位を指すことが多い.透明プローブ,振動電極等を用いて直接測定される.電子写真プロセスに応じて,初期電位( V0 ),露光電位( Vi ),残留電位( Vr )等に呼び分けられる.
847 表面電荷密度 ひょうめんでんかみつど surface charge density シートの表面に存在する単位面積当たりの電荷量.σ=Kε0V/Lで表わされる.σ=表面電荷密度, K=比誘電率, ε0=真空の誘電率, V=シートの電位差, L=シート厚さ
848 疲労 [電子写真] ひろう fatigue 電子写真で度々見られる疲労は,感光体に長時間の露光や帯電操作を継続することによって,感光体の電荷の保持性を減少させる結果として現われる現象である.この種の疲労は感光層内にトラップされた電荷に起因するとみられる.
849 広がり関数 ひろがりかんすう spread function 単位パルス信号δ(t)を入力したとき,伝送系を通った後,出力波形はある広がりを持った波形h(t)になまってしまう.このh(t)を広がり関数という.h(t)には線広がり関数(line spread function)と点広がり関数(point spread function)がある.光学系では各々線像分布関数,点像分布関数と呼ぶ.
850 ビン びん bin ソータにおいて,排出された用紙を受ける柵または容器.
851 ファーストコピータイム ふぁーすとこぴーたいむ first copy output time 複写開始ボタンが押されてから,1枚目の用紙の後端がトレイに排出される迄の時間.
852 ファーストプリントタイム ふぁーすとぷりんとたいむ first print output time プリント開始指示がなされてから,1枚目の用紙の後端がトレイに排出される迄の時間.プリンタ能力だけでなく画像処理速度も含まれる.
853 ファーブラシクリーニング ふぁーぶらしくりーにんぐ fur brush cleaning 毛皮や化学繊維のブラシを感光体に摺擦させて残存トナーを除去すること.通常回転ブラシの形で用いられ,トナーの飛散を防止する空気流と組み合わされる.
854 ファーブラシ現像法 ふぁーぶらしげんぞうほう fur brush development トナーを付着させた柔らかい毛状ブラシで感光体表面に形成した静電潜像を摺擦して可視化する方法.動物の毛皮あるいは合成繊維を円筒状のブラシにして用いる.
855 ファラデーケージ ふぁらでーけーじ Faraday cage 静電界を遮蔽するような金属メッシュ又は金属板等からなる容器.この中に試料を入れて帯電量の測定に用いることができる.
856 ファンデルワールス力 ふぁんでるわーるすりょく Van der Waals force 分子間にはたらく引力で極近距離において作用する.粒子と平面間では表面の最近接距離の二乗に反比例し粒子径に比例する近似が一般的に用いられる.
857 FEED現像法 ふぃーどげんぞうほう FEED toning system 一成分絶縁性トナーを用いた接触現像法.Floating Electrode Effect Developing の略.島状に分離して配置された微細電極(フロート電極)を表面に持つ現像剤担持体にトナー層を形成し,それを静電潜像に摺擦して現像する.フロート電極によりエッジ強調効果が得られる.
858 フィードローラ ふぃーどろーら feed roller (参照:給紙ローラ)
859 フィニシャ ふぃにっしゃ finisher 複写またはプリント後の用紙を丁合い,とじ,折り,穴開けおよび製本などの一連の後処理作業を自動的に処理する装置をいう.
860 フィルタ効果 ふぃるたこうか filter effect 感光体に直接CMYの3色のトナー像を形成するカラー画像形成方式において,先に現像されたトナー画像が色フィルタとして作用して,後から形成されるトナー画像の色分解に影響を及ぼすこと.トナー像の作成順序をY-M-Cとすることで影響は軽減される.
861 フィルタ粒子法 ふぃるたりゅうしほう color filtering powder process ワンショットカラー法の1種.フィルタ粒子は色分解機能と加熱により昇華染色する機能を併せもつ.1層のフィルタ粒子を感光体上に形成し,像露光後に不要粒子を静電的に除去し,顕色剤が塗布された受像紙に静電転写し,加熱発色される.
862 フィルム定着 ふぃるむていちゃく thin film belt fusing 数十μm厚のシームレスベルト内部に板状セラミックヒータを配置して,加圧ローラとで形成するニップ部分のみを加熱し,用紙上のトナーを定着する方式.ベルトの熱容量が小さくクイックスタートが可能となり,待機時の不要な電力消費を削減できる.(参照:SURF方式)
863 プールフレンケル効果 ぷーるふれんけるこうか Poole‐Frenkel effect 電界強度の増加とともに液体中のイオンの解離速度ないしイオン密度が増える現象をいう.電子写真感光体(アモルファス型)の導電度が電界強度に依存するのはこの効果として説明されていたことがある.
864 フェイス面濡れ ふぇいすめんぬれ orifice plate wetting オリフィス面がインクで濡れること.吐出を続けているとオリフィス面はインクのミストなどにより徐々に濡れてくる.オリフィスの近傍にインクが在ると吐出の方向や吐出液滴サイズに影響を及ぼすため,プリンタにはワイパーなどの除去手段が設けられる.
865 フェザリング ふぇざりんぐ feathering ノンコートタイプの普通紙で発生する画質劣化現象の一つで,印字部の周りから髭状にインクが滲むもので鳥の羽のように見えるためこのような名称が付けられた.これは紙のパルプ繊維が親水性でかつ多孔質であるため,その中を水性のインクが移動するために起こると考えられる.
866 フェライトキャリヤ ふぇらいときゃりあ ferrite carrier 磁気ブラシ現像法で用いるキャリヤ.フェライトはMO-Fe2O3で表わされる鉄酸化物,ここでMはMn2+,Co2+,Ni2+,Cu2+,Zn2+など.
867 フォトマスク ふぉとますく photomask 半導体ICを製作するための回路パターンの原版のこと.これを通してフォトレジストに露光する.ガラス基板上に金属膜を蒸着し,フォトレジストを用いてエッチングによりパターンを形成したものが高精度の原版となるが,銀塩写真法によるマスクも多く使用される.
868 フォトリフラクティブ効果 ふぉとりふらくてぃぶこうか phtorefractive effect 強誘電性酸化物,シレナイト化合物,化合物半導体または有機材料などに光を照射すると,電気光学効果により屈折率が変化する現象.これらの物質は,光を吸収すると自由電荷が生じ,イオンと再結合する.光の強度分布に対応した空間電荷分布が形成され,屈折率が変化する.
869 負極性放電 ふきょくせいほうでん negative discharge  マイナス電荷を発生させる放電.一般には,電源の負極側に正極側よりも曲率半径の小さい先端部,あるいは曲率半径の小さいワイヤ状電極等を備えることにより実現する.
870 負コロナ ふころな negative corona (参照: コロナ帯電)
871 フタロシアニン顔料 ふたろしあにんがんりょう phthalocyanine pigment 無水フタル酸,尿素,金属を加熱して合成する青ないし緑色の耐熱性,耐光性に優れた有機顔料.分子の中心に金属を有する金属フタロシアニンと無金属フタロシアニンがある.各種結晶形が存在する.高い光導電性を示すので電子写真感光体の電荷発生材料として使用されている.
872 付着力 ふちゃくりょく adhesive force 主としてトナーとキャリヤ,あるいはトナーと感光体間で問題とされる力で,クーロン力,分極力,ファンデルワールス力等に起因するものである.付着力は現像効果と密接な関係を有する.
873 物理変化型サーマルリライタブルマーキング ぶつりへんかがたさーまるりらいたぶるまーきんぐ physical change type thermal rewritable marking 空隙変化,ミクロ相分離変化,結晶性変化などの物理的な変化によって,印字/消去を行うサーマルリライタブルマーキング.光散乱性が変化するものが多い.
874 不吐出(ふとしゅつ) ふとしゅつ misfiring ノズルからインクが吐出しなくなること.不吐出の原因としては,ノズルの構造的破壊,目詰まり,アクチュエータの異常などがある.
875 ブラー ぶらー blur 画像のエッジ部のボケをいう.原因はトナーの飛散や滲みによる.カラー画像のように着色材の量が増大すると発生しやすい.
876 ブラシ帯電 ぶらしたいでん brush charging バイアス電圧を印加した導電性ブラシを感光体に接触し帯電する方法.電荷の移動はトンネル電流によるものと放電によるものがあり,どちらを主に利用するか方式により異なる.
877 プラズマ発光アレイ ぷらずまはっこうあれい plasma array プラズマディスプレイに用いられている気体放電をプリントヘッドに適用したもの.カソ?ド電極と開口部を有するアノ?ド電極に電圧を印加し,ヘリウム・アルゴン混合ガスを放電発光する.発光波長は,600?800nmと広い.
878 ブラッグ角 ぶらっぐかく Bragg's law  W.L.Braggにより導き出された結晶格子によるX線または粒子線の回折角をあたえる条件.
879 フラッシュ定着 ふらっしゅていちゃく flash fusing(fixing) キセノンランプなどの閃光によって用紙上のトナーを定着させること.トナーへの熱エネルギーの供給はトナー中のカーボンブラック等による放射エネルギー吸収を利用する.
880 フラッシュ露光 ふらっしゅろこう flash exposure キセノンランプに代表される閃光ランプを用いて原稿を照射し,平面保持された受像シートを一括露光する方法をいう.高速の複写機に良く用いられる.
881 フラットベッドスキャナ ふらっとべっどすきゃな flatbed scanner モノクロもしくはカラーの原稿を平面基板上に置き,基板または光源と受光部が一体になった光学ユニットを移動させて走査する方式のスキャナ.受光素子として一般的にはラインCCDが使われる.出力画像の拡大率により,ドラムスキャナの方が適す事がある.
882 ブリード ぶりーど bleeding 異色間の境界部で起こる画質劣化現象.記録部の染料が他方に滲み出し境界が不鮮明になる.
883 プリオブジェクティブ構成 ぷりおぶじぇくてぃぶこうせい pre-objective scanning system 光源側から,コリメータレンズ,光偏向器,fθレンズの順に構成されている走査系.スポットを直線上に等速走査する走査系では,通常,各面が平面のポリゴンミラーを等角速度回転させて光を偏向させ,その後にfθレンズを配置する.
884 フリクションリタード方式 ふりくしょんりたーどほうしき friction retard paper feeder 給紙ローラまたは給紙ベルトと用紙の前進を阻止する部材(リタード材)の間に用紙を挟み,用紙間の摩擦係数とリタード材の摩擦係数の差によって1枚のみを取り出す給紙方式.紙の厚さや湿度の影響を受け難い.
885 ブルーノイズマスク ぶるーのいずますく blue-noise mask 人間の視覚は,ある空間周波数以上ではほとんど感度がないので,疑似的なランダムパターンの分布を操作して,空間周波数分布がこの周波数以上となるようにして,画質の改良を図った濃度パターン法あるいは組織的ディザ法.通常256×256画素の大きな閾値マトリックスが利用される.
886 プルキンエ現象 ぷるきんえげんしょう Purkinje phenomena 各種の色刺激を含む視野の各部分の相対分光分布を一定に保って,視野全体の輝度を一定の比率で低下させたときに,長波長光の色刺激の明るさが短波長光の色刺激の明るさに比べて相対的に低く知覚される現象.言い換えれば,明順応から暗順応へ輝度レベルが低下するのに伴って,最大視感度に対応する光の波長が短波長側にシフトする現象をいう.
887 ブレードクリーニング ぶれーどくりーにんぐ blade cleaning トナー像の転写後感光体上に残存するトナーを,ブレードにより掻き取るクリーニング方法.板状ゴム部材を用いた単純な構造で,駆動部分もないことから,多くの電子写真機器に用いられている.
888 フロート電極 ふろーとでんきょく float electrode 一成分磁性トナー現像の現像特性を,二成分磁気ブラシ法と同様にラインとベタ画像が両立できる様に,現像スリーブ表面に埋め込まれた電極をいう.フロート電極がキャリアの役割を担う.
889 プロジェクション現像 ぷろじぇくしょんげんぞう projection development 一成分非磁性トナー現像法の1種.金属ブレードと現像スリーブ間でトナーを摩擦帯電した後,潜像電界により数百μmの現像間隙を飛翔させ現像する.交流バイアスを適宜選択することにより一方向のみに均一な飛翔を形成できる.
890 フロスト法 ふろすとほう Frost process 変形像記録の一種.カールソン法感光体上に熱可塑性誘電体層を設け,帯電,露光し,加熱する.露光部・非露光部で電荷分布が異り,表面層に働く静電力が変わるため,光像が誘電体層の静電変形の浅深として記録される.
891 プロセス制御 ぷろせすせいぎょ process control 種々の工程における状態量を制御することを意味することばであるが,電子写真においては出力画質の安定化(特に画像濃度と色再現)のために,電子写真プロセスの状態(電位,温度,湿度など)を検出し制御すること.
892 ブロッキング層 ぶろっきんぐそう blocking layer 感光体表面あるいは基板からの電荷の注入を阻止する目的で設けられる絶縁薄膜を指すことが多い.(参照: 電位障壁)
893 ブロンズ ぶろんず bronzing インクジェット方式による普通紙記録時に起こる画質劣化現象で,黒色印字部が印字直後から茶色に変色してみえる現象.染料インクに特徴的なもので,紙の表面PHと関連して,染料の結晶化が起こり微結晶による散乱のため変色してみえるといわれている.
894 フロントエンド ふろんとえんど front-end ある工程・作業の手前の工程・作業やそこで使われるシステム(ハード/ソフト)のこと.電子製版工程では,DTP, CEPSの入力システムとしてのカラースキャナや画像処理装置がこれに相当し,出力装置にとってはDTP,CEPSやRIP・Severなどが相当する.
895 分光増感 [写真] ぶんこうぞうかん spectral sensitization ハロゲン化銀に色素を添加して感光波長領域を可視域や赤外線領域に広げる増感方法.添加される色素はシアニン色素やメロシアニン色素などで,感光色素と呼ばれてきたが,分光増感剤に統一される方向である.
896 分光増感 [電子写真] ぶんこうぞうかん(でんししゃしん) spectral sensitization 光電導体の光感度スペクトルの波長領域を広げること.電子写真感光体に使用される非晶質セレンはバンドギャップ幅が大きいため短波長領域に光感度を示すが,これにテレルやヒ素などを添加すると可視光領域全体に感度が広がる.また,白色粒子の光電導体でエレクトロファックスに用いられる酸化亜鉛は,色素を吸着させることにより光感度を可視光領域に広げることが行なわれている.
897 分光分布 ぶんこうぶんぷ spectral distribution 光源や受光器の波長に対する特性を分光分布という.光源の波長特性を表す際には分光放射束や分光強度がよく用いられる.受光器の波長特性をあらわす際には分光感度と呼ばれる.
898 粉砕トナー ふんさいとなー grinded toner カーボン,樹脂バインダー,その他添加剤を熱混練し,冷却した後,粗砕,微粉砕,分級して得られるトナーのこと.重合トナーの様な化学合成的な製造法に対比して使われる.
899 分散染料 ぶんさんせんりょう disperse dyes 非イオン系の染料で,水に難溶である.水溶性染料にない耐光・耐水堅牢度に注目され,インクジェット捺染でも使用されている.
900 分離帯電器 ぶんりたいでんき detach charger 転写の直後に,用紙の静電吸着力を低下させ,用紙の剛性と重力を利用して感光体から分離するためのACコロナ帯電器をいう.ワイヤー形状またはのこぎり刃状の電極を用いる.
901 平滑度 へいかつど smoothness 紙の平らさの程度を表わす尺度.空気漏洩式,光学式などの測定法があるが,記録用紙の場合にはJIS P 8119にて規定されるベック平滑度が一般的.ガラス面と紙表面を一定圧力で押し当て,その間を規定圧力差で10mlの空気が通過するに要する時間を計測する.他にシェフィールド法もある.(参照:ベック平滑度,シェフィールド平滑度)
902 ヘイズ へいず haze 透明フィルム物性の一つで,不透明になる曇りの現象をいう.インクジェットでは専用OHPフィルムの性能に関わる重要な指標で,曇り度として%で表示される.数値が低いほど投影時の明度が高い.
903 平版印刷 へいはんいんさつ lithography 水と油が反発する性質を利用して,インクがつく画像部(親油性)とインクがつかない非画像部(親水性)を形成できるようにした版材に画像を形成し,版面にインクと水を交互に与えて印刷する.(参照:オフセット印刷)
904 平板粒子 [写真] へいばんりゅうし(はろげんかぎん) tabular grain 外観が平板状をした粒子.ハロゲン化銀感光材料では,粒子が平板状であると,体積の割りに受光面積が広くなり,分光増感剤や化学増感剤を受容する粒子表面も増大するので高感度化できる.平板状粒子形成技術は現代写真乳剤製造における重要技術の一つ.
905 ページ記述言語 ぺーじきじゅつげんご page description language (PDL) 電子的なシステムで作成された文字と画像のデジタルデータをプリンタなどの出力装置で出力するときの文書の体裁(記録を開始する位置,出力装置の解像力に応じたラスタイメージ変換など)を整えるためのプログラム言語のこと.
906 ページネーション ぺーじねーしょん pagination 1ページを構成する要素(本文,見出し,表,写真,図版など)をコンピュータを使って処理した後,合成処理して1ページにまとめ上げ,出力する一連の処理のことをいう.
907 ページプリンタ ぺーじぷりんた page printer デジタル画像情報を逐次印字するシリアルプリンタに対して,1ページ分の画像情報を一旦バッファメモリーに蓄えた後,ページ単位で画像出力するプリンタ.
908 ページメークアップ ぺーじめーくあっぷ page makeup 本文,見出し,表,写真,図版などを1ページの形にまとめあげることをいう.
909 ベシキュラー画像 べしきゅらーがぞう vesicular image ジアゾニウム塩を熱可塑性樹脂中に分散させた記録材料に紫外線を照射し光分解により発生した窒素ガスを加熱膨張させて得られた気泡(ベシキュラー)により形成された画像.気泡が光を散乱する.
910 ベタ画像 べたがぞう solid image 線画像に対して,比較的大面積の画像部をいう.トナーで密に被覆される領域であるがエッジ効果や現像不足によって完全に被覆されない場合もある.
911 ベック平滑度 べっくへいかつど Bekk smoothness 光学的平面仕上され中央に空気の漏入する円形の穴のある有効面積10cm2のガラス製標準面を試料表面に1kg/cm2の圧力で押し当て,その間を所定の圧力差で10mlの空気が通過するのに要する時間を測定する.(参照:平滑度)
912 ベルト分離 べるとぶんり belt separation 感光体と用紙の間(通常は画像の端部)にベルトを設け,用紙を感光体より剥離する方法.ベルトは固定のタイプとエンドレスとし回動させるタイプがある.
913 変換符号化 へんかんふごうか transform coding デジタルカメラ等で利用されているJPEG符号化等に用いられる画像圧縮処理の1つで,空間的に隣接する画像を複数まとめ,空間周波数領域のデータに変換する手法を言う.一般に変換によりエントロピが減少し,符号長の減少につながるほか,人間の視覚特性を利用することで,周波数に応じた各種の処理が可能である.
914 偏向電極 へんこうでんきょく deflection electrode  帯電した着色粒子を,電気力で偏向させるもので,インクジェット記録ではインク粒子を1次元的/2次元的に偏向制御して記録像を形成している.また,トナージェット記録では,開口電極を通過したトナーの飛翔方向を制御して,精密なトナー付着位置決めを行い,高解像度を実現している.
915 放電記録 ほうでんきろく electric discharge printing 放電を利用した記録技術.放電で生じたイオンを利用するものは,静電記録,イオンフロー記録を参照.他に放電による破壊現象を利用するもの(放電破壊記録)がある.ベースとなる紙上に,黒色等の着色層,さらにその上に白色の表面層が形成された記録用紙に,記録針で,放電させて白色表面層を破壊し,着色層を露出させて記録する方式.(参照:静電記録,イオンフロー記録)
916 放電生成物 ほうでんせいせいぶつ corona products, corona effluence コロナ放電時に発生するオゾンや窒素酸化物などの活性物質およびそれ等の反応生成物の総称.感光体表面の電気抵抗を低下させたり帯電器自体を汚染して絶縁不良や帯電不良の原因となる.
917 飽和記録濃度 ほうわきろくのうど saturated printing optical density 記録手段で得られる最大/最小濃度.一般に透明/白濁変化型では最小濃度を指し,発消色タイプでは最大濃度を指す.
918 飽和消去濃度 ほうわしょきょおんど saturated erasing optical density 消去手段で得られる最大/最小濃度.一般に透明/白濁変化型では最大濃度を指し,発消色型では最小濃度を指す.
919 ホール移動度 ほーるいどうど hole drift mobility 正孔(ホール)が感光体中を移動するとき,単位電界強度( V/cm )の下で単位時間(1/sec)当たりに移動する平均距離( cm ).単位は cm2/ Vsecである.パルス法(飛程時間法)におけるトランジットタイム測定により求められる.
920 保護層 [リライタブルマーキング] ほごそう(りらいたぶるまーきんぐ) protective layer 耐性を向上させるために,リライタブル記録層の上に設けられる層.主に耐熱性,耐擦傷性,密着性,強度等が要求されるため,熱硬化性樹脂,紫外線硬化型樹脂,電子線硬化型樹脂等の強度の高い樹脂を主体とし,滑材成分が併用されることが多い.
921 保磁力 ほじりょく coercive force 硬磁性材料は外部磁界を加えていったん磁化すると,外部磁界を除いた後も磁化が残る.磁化をゼロにするには,逆向きの磁界を加えなければならない.磁化がゼロになるときの逆向きの磁界を保磁力という.
922 ポストオブジェクティブ走査系 ぽすとおぶじぇくてぃぶそうさけい post-objective scanning system 光源側から,コリメータレンズ,ビーム集光作用を持つレンズ,光偏向器の順に構成されている走査光学系.光偏向器の各面に曲率を持たせることで,像面の湾曲を補正する場合もある.
923 ポストスクリプト ぽすとすくりぷと PostScript (PS) 米国アドビ社が開発したページ記述用のプログラミング言語で,テキストや図形の記述に人間が読むことの可能なASCIIコードを使用することを基本としている.主にプリンタや印刷用のイメージセッタでの出力に使用されている.
924 ホットオフセット ほっとおふせっと hot offset 熱ローラ定着方式において,トナーが過加熱されトナーの凝集力が定着ローラおよび用紙との接着力を下回った場合に,トナー層が分断して起こるオフセット現象をいう.高温オフセット.
925 ホットスタンプ ほっとすたんぷ hot stamp erasing method サーマルリライタブルマーキングにおいて,温度制御され,必要な面積を持った熱板で,媒体へスタンプし画像を消去する方式.消去動作の前に事前に熱板を加熱しておくことが必要ではあるが,正確な温度制御が出来,媒体にダメージを与えることなく消去が可能.
926 ホットメルトコーティング ほっとめるとこーてぃんぐ hot-melt coating 熱溶融性インクを加熱溶融した状態で支持体上に塗布する方法.無溶剤の状態で塗布できる.対立する方法は,水系塗布,ソルベントコーティング(溶剤系塗布)など.
927 POP ぽっぷ,ぴーおーぴー particle oriented paper (POP) 磁気カプセル型リライタブルの一形態で,外部磁場を印可して,フレーク状の磁性体粒子を回転させることによって印字/消去を行う記録層を設けた用紙.フレークが寝ている状態では銀色(フレークの色),立っている場合には下層の色を呈する.
928 ホトクロミズム ほとくろみずむ photochromism 光によって色調が変化し,かつ光あるいは熱によって逆反応を起こし,元の色に戻る現象.具体的な材料としては,スピロベンゾピラン,フルギド,メロシアニンなどが挙げられる.
929 ポリゴンミラー ぽりごんみらー polygon mirror 回転軸に平行または傾いて設けられた多数のミラー面をもつもので,ビームの走査に用いる.回転多面鏡ともいう.
930 ホログラム走査光学系 ほろぐらむそうさこうがくけい hologram scanning optics ホログラムの回折作用を活用して,ホログラムを回転させ偏向する走査光学系.

更新日 00/04/23
名前 Masaaki Yokoyama