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通し番号 用語 読み 英語 説明文
722 内部分極 ないぶぶんきょく internal polarization 光導電性絶縁膜,誘電体層等の内部で正負の電荷が分離した状態.分離した電荷がトラップされ,外部の電界の助けがなくとも分極状態が保たれれば,持続性内部分極と呼ばれる.
723 長手記録 ながてきろく longitudinal recording 磁気記録における面内記録方式の代表的なもので,磁気記録ヘッドと磁気記録媒体との相対的移動方向に沿って磁化する.潜像記録時に磁化の向きを反転させることにより,磁化転移領域を形成する.
724 捺染(なっせん) なせん,なっせん textile printing 布地に模様を染める手法の一つ.陶器などの染色にも利用される.工業的には型紙を用いる方法が一般的である.デジタルシステムの進歩によりコンピュータで模様をデザインし,インクジェット方式などで直接媒体に記録することも出来るようになってきた.
725 軟磁性材料 なんじせいざいりょう soft magnetic material 強磁性体の中で,外部磁界をかけると磁化されるが,外部磁界を除くと,磁化が消えてしまう物質をいう.磁気ヘッドやトランスのコアなどに使われる.
726 にじみ率 にじみりつ spread rate インク液滴径とドット径の比率で定義され,画像設計の基礎数値.水性インクの場合,普通紙上で3,コート紙上で2前後の値を示す事が多い.
727 ニ成分現像法 にせいぶんげんぞう(ほう) two component development キャリアとトナーのニ成分からなる現像剤を用いる電子写真現像法.カスケード現像法,磁気ブラシ現像法など.
728 2値化処理 にちかしょり binarize process,binarization 連続階調で表された画像信号を白,黒等の2値で表す様に変換する処理.
729 ネゴシエーション ねごしえーしょん negotiation ファクシミリ等の通信機器において,機器同士で使用可能な機能や利用したい機能の情報を交換し,最適な機能を選択する仕組.モデムでの速度選択や,ファクシミリでの解像度,紙サイズ,符号化方法等の選択に利用されている.
730 熱応答性 ねつおうとうせい thermal responsiveness 一般には,熱伝導方程式が支配する場における時間を変数とした連続な解を指し,特に定常状態へ至るまでの速さを指すことが多い.
731 熱可逆性 ねつかぎゃくせい thermal reversibility (参照:サーマルリライタブルマーキング)
732 熱可塑記録材料 ねつかそきろくざいりょう thermoplastic material 加熱により柔軟になる記録用着色材料.ポリマーと顔料を主成分とする熱転写記録用のインクが代表例.ワックスを主成分とするインクと比較して機械的強度に優れておりバーコードプリンタに有用である.
733 熱可塑性樹脂 ねつかそせいじゅし thermoplastic resin 加熱により化学反応を起こすことなく軟化し冷却することにより再び固化することを,加熱と冷却を繰り返したとき可逆的に起こす樹脂.付加重合系ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン等が代表的.
734 熱境界条件 ねつきょうかいじょうけん thermal boundary condition 熱伝導方程式が支配する場を決定するための温度または熱流束で定めた境界の条件
735 熱現像処理 ねつげんぞうしょり thermal development process 画像露光を与えた後,加熱操作によって現像及び定着安定化する銀塩写真の処理法.乾式で簡易処理が可能.熱現像処理の商品例として,黒白感光材料にはドライシルバー(3M)が,カラー感光材料には熱現像色素転写方式のピクトログラフィー(富士フィルム)がある.
736 熱磁気記録 ねつじききろく thermo-magnetic printing  強磁性体は温度が高くなるにつれて保磁力,磁化とも小さくなってゆき,キューリ温度に達すると,非磁性体となる.この現象を利用して,磁気記録媒体にレーザ光やサーマルヘッドで局所的に熱を加えることにより,磁気潜像を形成する記録方式.
737 熱時剥離 ねつじはくり peeling-off during hot state 溶融熱転写記録で,加熱により軟化あるいは溶融したインク層が固化しないうちにインクリボンを記録媒体から引きはがすことをいう.対立するものは冷時剥離.
738 熱定着 ねつていちゃく heat fusing(fixing) 熱を利用して支持体上のトナーを定着させることの総称.定着熱効率はトナー粒子の温度をいかに早くその樹脂の軟化点まで上昇させるかで決まる.(参照: オーブン定着,熱ローラ定着,フラッシュ定着)
739 熱転写シート ねつてんしゃしーと thermal transfer sheet 支持体上に熱転写インク層が形成されたシート.加熱ヘッドにより加熱された部分のインク層全体が(溶融熱転写)またはインク層中の染料(染料熱転写)が受像シート側に転写され画像が形成される.
740 熱転写マルチリボン ねつてんしゃまるちりぼん thermal transfer multiple ribbon 同じ場所を複数回繰り返して印字に使用することができる熱転写インクリボン.石垣構造のインク層から低融点インク成分が滲みだす機構や海島構造のインク層を表面から少しずつ剥がして転写する機構で多数回の使用を可能にしている.
741 熱伝導 ねつでんどう heat conduction 電磁波の放射も物質の流れも伴なわない熱の伝達をいう.固体中でエキシトンやフォノンなどの準粒子がエネルギーを伝達する場合も,熱伝導に含まれる.
742 熱伝導性粒子 ねつでんどうせいりゅうし heat conductive particle 金属や無機化合物からなる粒子で,感度向上等を目的として溶融インク層中に入れることがある.
743 熱伝導方程式 ねつでんどうほうていしき heat conduction equation 温度の2次の勾配と温度時間変化が比例定数(熱伝導度)で結ばれている偏微分方程式.拡散方程式の特殊な形.
744 熱板定着 ねつばんていちゃく heat plate fusing 加熱された金属板などに,未定着トナー画像が乗った用紙を接触搬送しトナーを溶融固着させる定着方法.
745 熱ベルト定着 ねつべるとていちゃく thermal belt fusing (fixing ) トナー像を耐熱性薄層ベルトを介して加熱し溶融定着する方式.熱容量を小さくしウォームアップ時間を短縮する効果がある.ベルトの剥離をトナーの温度が冷えてから行えば,離型性に関する要求が緩和される.(参照: SURF方式)
746 熱融着性 ねつゆうちゃくせい thermal adhesiveness 樹脂またはワックスが加熱により軟化して他の物質に付着する性質.染料熱転写の場合にインクシートと受像紙が加熱により貼付いてしまうことがある.
747 熱溶融インク ねつようゆういんく thermofusible ink 溶融型熱転写に用いられる,加熱により溶融または軟化するインク.
748 熱流 ねつりゅう(ねつりゅうそく) heat flux 熱伝導方程式が支配する場を移動する熱の流れ.熱流束は単位時間に単位面積を通過する流れ.
749 熱履歴制御 ねつりれきせいぎょ heat history control サーマルヘッドの蓄熱現象に対し,通電補正を行い発熱温度を一定にする制御.サーミスタで温度検出しフィードバックする方法と通電履歴から温度を推定して通電補正する方法がある.
750 熱ローラ定着 ねつろーらていちゃく heat roller fusing(fixing) トナーと剥離性を持つ加熱されたローラを接触させてトナーと用紙に熱供給する定着方式.接触式であるため熱効率が良く,高速定着が可能である.但し,ロール寿命が短い,ウォーミングアップ時間を要する等の短所がある.
751 粘弾性 ねんだんせい viscoelasticity 高分子の溶液や融体の緩和現象の結果として,弾性変形と粘性流動が同時に現れる現象.固体においても現れる場合がある.固体の粘弾性は非弾性とも呼ばれる.
752 粘着 ねんちゃく adhesion 溶融熱転写記録においては,インクが溶融または軟化して他の物質に付着すること.
753 粘着転写 ねんちゃくてんしゃ adhesive transfer 粘着性を持つ面を感光体などに押し付けて,トナー像を転写すること.電荷の不十分なトナー,小粒径のトナーでも均一に解像の低下が少なく転写ができる.中間転写体として予備加熱されたラバー塗布ドラムに粘着転写する例や,湿らせたゼラチンコート紙,感圧粘着剤コート紙に直接粘着転写する例がある.(参照:中間体転写方式)
754 粘度調整剤 ねんどちょうせいざい viscosity improver インク粘度は使用する記録ヘッド系に個別に最適な範囲が存在するため,増粘・減粘剤を使用して調整する事がある.
755 濃度コントラスト のうどこんとらすと optical density contrast 一般には画像濃度と地肌濃度の差をいう.リライタブルマーキングでは記録した画像と消去した画像の濃度差を示す場合もある.
756 濃度パターン法 のうどぱたーんほう density pattern method 2値の画素を用いて階調を表す疑似中間調の方法の一つで,1画素の階調値をn×n画素等の複数画素からなる2値画像パターンに対応させて階調を表現する方法.網点の様にドットが集中するドット集中型とドットが分散するドット分散型がある.
757 濃度変調 のうどへんちょう density modulation 画素の濃淡を変化させて階調を表現する方法.レーザ強度変調法(電子写真)などがある.(参照:強度変調)
758 Neugebauerの方程式 のうばーがーのほうていしき Neugebauer's equation Neugebauerによる,再現色の3刺激値と網点面積率の関係を表した線形方程式.カラー写真画像を原稿とし,インクジェットのようなドットにより絵を表現する場合の,色再現の基礎理論である.
759 鋸歯帯電器 のこぎりばたいでんき pin array charger ピン(針)状電極を一列に並べ,ピン先端でコロナ放電を行う帯電器.強度の高い構造とオゾン発生量が少ない特徴があるが,放電が局在化すろことから2列に並べたり,スコロトロンとして用いられる.
760 ノズル のずる nozzle 個々のインクの液滴を生成するために共通のインク室から分岐したインクの流路部分.一方の端は吐出口(オリフィス)として開口している.ノズル内部には圧力を発生するための吐出ヒータや振動板などのアクチュエータが設けられている.
761 ノンインパクトプリンティング のんいんぱくとぷりんてぃんぐ non impact printing (NIP) インパクトドットマトリクスプリンタに代表される,機械的衝撃力により色剤を用紙上に転移させる方式以外の画像形成方法の総称.特に画像形成時の騒音レベルの低い方式を指す.

更新日 00/04/23
名前 Masaaki Yokoyama